米国税法上の居住者である場合、日本の株式の売却損益も、原則として米国の所得税申告に含めます。
日本の証券口座で売却し、代金を米国へ送金していなくても、申告対象となります。日本で源泉徴収されていることだけで、米国の申告が不要になるわけではありません。
参考:IRS — Taxation of U.S. Residents
1. 米国のルールで売却損益を計算します
通常の投資目的の株式では、売却代金と米国税務上の取得価額を比較して、利益または損失を計算します。手数料、株式分割などによる取得価額の調整も確認します。
保有期間が原則として1年を超える場合は長期、1年以下の場合は短期の売却損益となり、税率などの取扱いが異なることがあります。
贈与や相続で取得した株式には、取得価額や保有期間について別のルールがあるため、取得経緯も重要です。
参考:IRS — Capital Gains and Losses
2. 円で計算した利益を、そのまま使えるとは限りません
米国の申告では、金額を米ドルで計算します。通常、取得価額と売却代金を、それぞれ該当する取引日の為替レートで換算するため、日本の円建て損益とは結果が異なる場合があります。
円では利益が出ていても、為替の影響で米ドルでは損失となる場合や、その逆もあります。年間取引報告書に記載された円建ての利益だけではなく、購入時からの取引記録を確認します。
参考:IRS — Foreign Currency and Exchange Rates
3. 通常はForm 8949とSchedule Dで報告します
通常の株式売却は、Form 8949とSchedule Dで報告します。銘柄、取得日、売却日、売却代金、取得価額、必要な調整などを整理します。
日本の証券会社から米国のForm 1099-Bが発行されなくても、申告義務がなくなるわけではありません。
参考:IRS — Instructions for Form 8949
4. 日本で納めた税金を確認します
日米双方で課税される場合には、外国税額控除などによる調整を検討します。ただし、日本で納めた税金がすべて、そのまま米国の税額から差し引けるとは限りません。
株式売却益の所得源泉、居住地、租税条約、控除限度額などを確認する必要があります。「日本株だから必ず外国源泉所得になる」とは判断できません。
5. 証券口座の情報報告も確認します
売却損益の所得税申告とは別に、日本の証券口座についてFBARやForm 8938の提出要否を確認します。売却して年末残高が少なくなっていても、年中の残高などによって報告が必要となる場合があります。
参考:IRS — Comparison of Form 8938 and FBAR Requirements
ご相談前に整理しておくとよい資料
- 銘柄、数量、取得日、取得価額
- 売却日、売却代金、手数料
- 年間取引報告書と購入・売却の明細
- 株式分割、贈与、相続などの履歴
- 日本で源泉徴収・納付された税金
- 米国への赴任・帰任日と過年度の申告状況
当事務所では、居住者区分と取引内容を確認し、米国での損益計算と必要な報告を整理します。初回のお問い合わせには概要のみをお知らせください。口座番号や取引明細などの機密資料は、別途ご案内する方法で共有をお願いいたします。
本回答は、個人が投資目的で保有する通常の株式についての一般的な説明です。非居住者、赴任・帰任年度、投資信託、ストックオプションなどには異なる取扱いがあり、州税も別途確認が必要です。
情報確認日:2026年10月14日

