口座間で資金を移した場合は、口座ごとの残高と、資金移動の履歴を分けて整理します。
特にFBARでは、「提出要否を判断する合計額」と「提出する際の各口座の最高残高」を区別することが重要です。
1. 口座ごとに最高残高を確認します
各口座について、年中の残高を確認し、最高残高とその日付を整理します。年末残高や、資金移動後の残高だけでは判断しません。
報告対象となる口座では、他の口座から移した資金であっても、その口座に存在した金額を含めて最高残高を確認します。
参考:FinCEN — Reporting Maximum Account Value
2. 提出要否の判定では、同じ資金の二重計上に注意します
FBARの提出要否を判断する際は、各口座の最高残高を単純に足すことで、同じ資金を重複して数えていないか確認します。
IRSの説明では、年中に海外口座から別の海外口座へ移動した資金は、合計額の判定において一度だけ数えるとされています。入出金の対応関係を、明細で確認できるようにしておくことが大切です。
参考:IRS — FBAR: Aggregate Value Over $10,000
3. 提出する場合は、各口座の最高残高を報告します
例えば、他の資金や残高変動がなく、口座Aの20,000米ドルを全額、口座Bへ移したとします。
| 項目 | 口座A | 口座B |
|---|---|---|
| 移動前の残高 | 20,000米ドル | 0米ドル |
| 移動後の残高 | 0米ドル | 20,000米ドル |
| それぞれの最高残高 | 20,000米ドル | 20,000米ドル |
FBARの提出が必要で、両方が報告対象口座であれば、原則としてそれぞれ20,000米ドルを報告します。口座Bから移動資金を差し引いてゼロとするものではありません。
各口座の報告額を足すと40,000米ドルになりますが、同時に40,000米ドルを保有していたことを意味するわけではありません。
4. 米ドル換算とForm 8938も確認します
FBARでは、通常、各口座の最高残高を現地通貨で確認したうえで、暦年末の米国財務省の為替レートを用いて米ドルへ換算します。資金移動日の為替レートをそのまま使うとは限りません。
参考:FinCEN — Reporting Maximum Account Value
Form 8938は、提出基準、資産評価、共同名義の扱いなどを独自のルールで判断します。FBARの整理結果を、そのまま転記するのではなく別途確認します。
参考:IRS — Instructions for Form 8938
整理しておくとよい資料
- 各口座の入出金明細と残高
- 資金の移動日、出金日、入金日
- 移動元・移動先の口座
- 送金額、受取額、通貨、手数料
- 各口座の最高残高と年末残高
- 単独名義・共同名義・署名権限の区分
当事務所では、口座ごとの残高と資金移動の履歴を確認し、提出要否の判定と報告額を整理します。初回のお問い合わせには概要のみをお知らせください。口座番号や明細などの機密資料は、別途ご案内する方法で共有をお願いいたします。
本回答は個人向けの一般的な説明です。為替変動、送金処理の時差、共同名義、報告対象期間などによって追加確認が必要となります。
情報確認日:2026年10月14日

