米国法人の初年度申告では、何を確認しますか?

初年度は、決算数値に加え、会社の設立情報、米国税務上の事業体区分、申告対象期間、事業を行う州、日本の親会社との取引などを確認します。

売上がない、または赤字であることだけで、申告が不要になるわけではありません。通常の米国内法人は、課税所得がなくても連邦所得税申告が必要です。

参考:IRS — Instructions for Form 1120

1. 会社情報と税務上の区分

正式名称、設立日、設立州、住所、EIN(雇用主識別番号)、株主構成を確認します。

LLCの場合は、州法上の名称だけでは申告方法が決まりません。所有者の数や選択届出によって、法人、パートナーシップ、所有者と別個に扱わない事業体など、連邦税務上の区分が異なります。

参考:IRS — Limited Liability Company

2. 初年度の申告期間と会計方法

設立日、事業開始日、決算日を整理し、最初の申告対象期間を確認します。初年度が12か月未満の短期課税年度となる場合もあります。

現金主義・発生主義などの税務上の会計方法や、初年度に行う選択も確認します。最初の申告で採用した方法が、その後の年度に影響することがあります。

参考:IRS — Publication 583: Starting a Business and Keeping Records

3. 設立・開業にかかった費用と資金の動き

設立費用、開業準備費用、設備購入、敷金、専門家報酬などを整理します。支払った金額すべてを、その年の経費にできるとは限りません。

また、日本の親会社が立て替えた費用や送金について、出資、借入、費用精算などの内容を確認します。帳簿と銀行残高、親会社側の記録を照合することが大切です。

参考:IRS — Publication 542: Corporations

4. 日本の親会社・関連会社との取引

商品売買、業務委託料、管理料、利息、貸付・借入などの関連者取引を確認します。

一定の外国所有要件を満たす米国法人等が報告対象取引を行った場合には、Form 5472などの情報申告が必要となることがあります。

外国所有の米国単独所有LLCで、税務上のDisregarded Entityに該当する場合も、所定の取引についてForm 5472と形式的なForm 1120の提出が必要となることがあります。

参考:IRS — Instructions for Form 5472

5. 州・地方の申告とその他の税務

設立州だけでなく、事務所、従業員、販売活動などがある州について、登録・申告義務を確認します。例えばカリフォルニア州では、事業活動や売上・資産・給与などの基準に基づく確認が必要です。

法人所得税に加え、事業形態や活動内容に応じて、給与税、売上・使用税、資産税なども確認します。

参考:California FTB — Doing Business in California

6. 申告・納付のスケジュール

初年度の決算日と適用される申告書に基づき、申告期限、延長申請、納付期限、予定納税を整理します。翌年度の期限も含め、年間スケジュールを作っておくと管理しやすくなります。

ご相談前に準備しておくとよい資料

  • 設立書類、EIN通知書、税務上の選択届出
  • 株主・所有者の一覧と持分割合
  • 試算表、総勘定元帳、銀行・カード明細
  • 設立・開業費用と固定資産の明細
  • 親会社・関連会社との契約、取引、残高資料
  • 州の登録状況と、拠点・従業員・販売先の概要
  • すでに提出した申告書や納付記録

当事務所では、初年度の会社情報と取引内容を確認し、必要な申告、準備資料、対応範囲をご案内します。初回のお問い合わせには概要のみをお知らせください。

お問い合わせ

本回答は一般的な情報提供を目的としています。必要な申告は、事業体区分、所有関係、事業活動、対象年度などによって異なります。日本法人の米国支店には、現地法人とは異なる取扱いがあります。

情報確認日:2026年10月14日