日本の投資信託を保有している場合、どのような確認が必要ですか?

米国市民または米国税法上の居住者である場合、日本の投資信託についても、米国での課税と情報報告を確認する必要があります。

特に重要なのは、保有商品が米国税務上のPFICに該当するかどうかです。「売却していない」「NISA口座で保有している」という理由だけで、確認が不要になるわけではありません。

参考:IRS — Taxation of U.S. Residents

1. 商品の仕組みとPFICへの該当性を確認します

PFIC(Passive Foreign Investment Company)は、一定の受動的所得・資産の基準を満たす外国法人を指します。日本の投資信託も、米国税務上の分類や商品の仕組みによって、PFICとして扱われる可能性があります。

商品名だけで判断せず、目論見書などで法的な仕組みや投資内容を確認します。

2. 通常の株式とは異なる税務処理を確認します

PFICに該当する場合、分配金や売却益に特別な計算方法が適用されることがあります。QEFや時価評価(Mark-to-Market)などの選択規定もありますが、利用条件や必要資料が異なります。

過去に行った選択と保有履歴も重要です。日本の年間取引報告書の損益を、そのまま米国の申告に使えるとは限りません。

参考:IRS — Instructions for Form 8621

3. Form 8621の提出要否を確認します

分配金の受取り、売却、選択規定の利用、年間の情報報告などにより、Form 8621が必要となる場合があります。通常、報告が必要なPFICごとに確認します。

売却や分配がない年でも提出が必要となる場合があります。一方、一定の例外もあるため、保有額が少ないという理由だけで提出不要とは判断できません。

参考:IRS — About Form 8621

4. 証券口座・資産の報告も別に確認します

Form 8621とは別に、日本の証券口座や保有資産について、FBAR・Form 8938の提出要否を確認します。それぞれの制度で対象や提出基準が異なります。

Form 8621とForm 8938には重複報告を調整する規定がありますが、Form 8621を提出すれば、他の報告がすべて不要になるわけではありません。

参考:IRS — Comparison of Form 8938 and FBAR Requirements、IRS — Instructions for Form 8621

ご相談前に整理しておくとよい資料

  • 商品名、銘柄コード、目論見書などの商品資料
  • 購入日、購入金額、保有口数
  • 分配金と再投資の履歴
  • 売却・解約の履歴
  • 年末評価額と口座の年中最高残高
  • 米国への赴任・帰任日
  • 過年度のForm 8621と、過去の選択内容

赴任前から保有している商品についても、過去の購入記録を保管しておくことが大切です。売却や買い替えを検討する場合には、その取引に伴う米国税務への影響を事前に確認します。

当事務所では、保有商品の内容と申告状況を確認し、必要な対応と業務範囲をご案内します。初回のお問い合わせには概要のみをお知らせください。口座番号や取引明細などの機密資料は、別途ご案内する方法で共有をお願いいたします。

お問い合わせ

本回答は主に米国連邦税についての一般的な説明です。商品の法的分類、保有履歴、過去の選択などによって取扱いが異なり、州税も別途確認が必要です。

情報確認日:2026年10月14日