FBARでは、共同名義の口座をどのように扱いますか?

共同名義の海外金融口座も、FBARの報告対象となる場合があります。報告が必要な方は、原則として自分の持分相当額ではなく、口座全体の年中最高残高を報告します。

1. 持分割合で残高を分けるわけではありません

例えば、夫婦共同名義の口座の年中最高残高が40,000米ドルで、夫婦それぞれにFBARの提出義務がある場合、原則として双方が40,000米ドルを報告します。半分の20,000米ドルずつに分けるものではありません。

共同名義人が配偶者以外の家族や第三者である場合も、同様に口座全体の金額を確認します。

参考:IRS — FBAR Reference Guide

2. 提出義務は一人ずつ確認します

FBARは、対象となる米国人・米国居住者等について、金融上の持分や署名権限を持つ海外金融口座の合計額が、暦年中のいずれかの時点で10,000米ドルを超える場合に、原則として必要です。

共同名義口座だけでなく、各人の単独名義口座なども含めて確認します。共同名義人の一方に提出義務があるからといって、もう一方にも自動的に提出義務が生じるわけではありません。

参考:FinCEN — Purpose of the FBAR

3. 夫婦では、一方の提出を省略できる場合があります

次の条件をすべて満たす場合、一方の配偶者は別途FBARを提出せず、他方の提出で対応できることがあります。

  • 提出を省略する配偶者の報告対象口座が、すべて提出する配偶者との共同名義である
  • 提出する配偶者が、該当する共同名義口座を期限内に電子署名付きのFBARで報告する
  • 夫婦がForm 114aを適切に作成・署名し、保管する

Form 114aは、通常、FBARと一緒に送信せず、記録として保管します。

例えば、夫に単独名義口座と共同名義口座があり、妻の報告対象口座がその共同名義口座だけであれば、夫の提出によって妻の別途提出を省略できる可能性があります。

一方、夫婦双方にそれぞれ単独名義の報告対象口座がある場合は、通常、この特例を利用できません。

参考:FinCEN — Filing for Spouse

4. 夫婦合算の所得税申告とは別の手続きです

所得税を夫婦合算で申告していても、FBARが自動的に夫婦分まとめて提出されるわけではありません。FBARの対象者と、配偶者の提出省略の条件を別に確認します。

ご相談前に整理しておくとよい情報

  • 各共同名義人の米国税務上の状況
  • 各人の単独名義・共同名義の口座一覧
  • 各口座の年中最高残高
  • 共同名義人の氏名と関係
  • 署名権限のみを持つ口座の有無
  • 過年度のFBARとForm 114aの作成状況

当事務所では、各人の提出義務と共同名義口座の報告方法を確認し、必要な対応をご案内します。初回のお問い合わせには、口座番号や本人確認番号などの機密情報を含めないでください。

お問い合わせ

本回答は個人向けの一般的な説明です。所有関係、署名権限、居住者区分などによって取扱いが異なり、Form 8938についても別途確認が必要です。

情報確認日:2026年10月14日