会計上の利益と税務上の所得が異なるのはなぜですか?

会計と税務では、目的と計算ルールが異なるためです。 同じ取引でも、収益や費用として認識する時期、認められる金額、取扱いが異なることがあります。

会計上の利益は、会社の経営成績を財務諸表に表すために計算します。一方、税務上の所得は、税法に従って課税対象となる金額を計算したものです。そのため、決算書に記載された利益が、そのまま法人税の計算対象になるとは限りません。

どのような違いがありますか?

主に「一時差異」と「永久差異」の二つに分けられます。

一時差異 — 計上する時期の違い

会計と税務で収益や費用を認識する時期が異なり、その違いが将来解消するものです。

例えば、設備の減価償却を税務上は会計より早く進める場合、当期の税務上の費用は会計上の費用より多くなります。しかし、将来の税務上の減価償却費は、その分少なくなります。

引当金や未払費用についても、会計上の費用計上時期と、税務上の控除が認められる時期が異なる場合があります。なお、税務上の控除時期は、単に支払ったかどうかだけでなく、費用の種類や適用されるルールによって判断します。参考:IRS「Examination Techniques」

永久差異 — 取扱いそのものの違い

会計では費用として認識しても、税務では将来にわたって控除が認められないものなどです。

例えば、米国連邦所得税や、法令違反により政府等へ支払う一定の罰金・制裁金などが該当します。罰金等には例外規定もあるため、支払内容の確認が必要です。参考:IRS「Form 1120 Instructions」、米国内国歳入法第162条

具体的には、どのように調整しますか?

説明のため、次のケースを考えます。

項目金額
会計上の税引前利益100,000ドル
税務上控除できない費用の加算+5,000ドル
税務上の減価償却が会計を上回る部分の減算−20,000ドル
調整後の税務上の所得85,000ドル

この例では、会計上の税引前利益は100,000ドルでも、調整後の税務上の所得は85,000ドルになります。

※説明用の簡略例です。繰越欠損金、その他の控除、州ごとの調整などは考慮していません。

米国法人税申告では、こうした会計と税務の差額を、該当する場合にSchedule M-1またはSchedule M-3などで整理・説明します。参考:IRS「Form 1120 Instructions」

税効果会計とは、どのようにつながりますか?

一時差異から生じる将来の税負担への影響は、適用要件に従って繰延税金資産・負債に反映します。一方、永久差異は、原則として繰延税金資産・負債を生じさせません。

そのため、会計と税務の差額については、金額だけでなく、「将来解消する違いなのか、将来も解消しない違いなのか」を整理することが大切です。参考:FASB「Income Taxes — Topic 740」の開示例

当事務所のサポート

当事務所では、決算書と法人税申告の差額を整理し、一時差異・永久差異の確認、税務調整、税効果会計の計算などを支援します。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としています。具体的な取扱いは、適用する会計基準、税法、取引内容によって異なります。

情報確認日:2026年10月15日