日本の不動産を貸している場合、米国で申告が必要ですか?

はい。米国税法上の居住者である場合、日本の不動産から得る賃貸収入も、原則として米国の所得税申告に含める必要があります。

家賃を日本の口座で受け取り、米国へ送金していなくても、申告対象になる場合があります。日本で申告・納税を済ませていることだけで、米国での申告が不要になるわけではありません。

参考:IRS — Taxation of U.S. Residents

1. 賃貸収入と経費を整理します

家賃収入に加え、管理手数料、修繕費、保険料、固定資産税、借入金利息などを確認し、米国税務上認められる経費と減価償却を計算します。

住宅ローンの返済額すべてが経費になるわけではありません。また、修繕と資産価値を高める改良では、取扱いが異なる場合があります。

2. 日本の申告上の利益を、そのまま使えるとは限りません

米国では、経費や減価償却を米国のルールで計算し、金額を米ドルに換算します。そのため、日本の確定申告書に記載された不動産所得を、そのまま米国の申告に転記できるとは限りません。

赴任前に住んでいた自宅を賃貸に変更した場合は、取得価額、賃貸開始時の時価、建物と土地の内訳なども確認します。土地は減価償却の対象になりません。

賃貸で損失が出た場合も、給与などの他の所得から全額を差し引けるとは限りません。

参考:IRS — Publication 527: Residential Rental Property

3. 日本で納めた所得税を確認します

同じ賃貸所得に日米双方で課税される場合には、外国税額控除などによる二重課税の調整を検討します。ただし、控除には要件と限度があり、日本で納めた税金がすべて米国の税額から差し引けるとは限りません。

参考:IRS — Publication 514: Foreign Tax Credit for Individuals

4. 不動産と金融口座の報告は分けて確認します

個人が直接保有する日本の不動産そのものは、通常、FBARやForm 8938の報告対象ではありません。一方、家賃を受け取る日本の銀行口座は、金額などの要件に応じて報告対象となる場合があります。

法人などを通じて不動産を保有している場合は、その法人等への持分について別途確認が必要です。

参考:IRS — Comparison of Form 8938 and FBAR Requirements

ご相談前に整理しておくとよい情報

  • 不動産の所在地、所有者、持分割合
  • 取得日、取得価額、建物と土地の内訳
  • 賃貸開始日と、自宅として使用していた期間
  • 年間の家賃収入と経費
  • 借入金利息と返済元本の内訳
  • 日本での申告・納税状況
  • 赴任・帰任の日付

当事務所では、米国での賃貸所得の申告と、関連する金融口座の情報報告を分けて確認します。初回のお問い合わせには概要のみをお知らせください。契約書、申告書、口座明細などの機密資料は、別途ご案内する方法で共有をお願いいたします。

お問い合わせ

本回答は主に米国連邦税についての一般的な説明です。非居住者や赴任・帰任年度、法人等を通じた保有には異なる取扱いがあり、州税も別途確認が必要です。

情報確認日:2026年10月14日