はい。米国外にある会社の金融口座に署名権限などを持つ場合、会社のお金であっても、個人のFBARで報告が必要となることがあります。
口座の所有者でなくても対象となる可能性があるため、経理・財務担当者や役員の方は、銀行に登録された権限を確認することが大切です。
1. どのような権限が対象になりますか?
金融機関への直接の指示によって、口座内の資金などの処分を管理できる権限が対象です。単独で行使できる場合だけでなく、他の方と共同で行使する場合も含まれます。
例えば、送金や出金を銀行へ直接指示できる権限が該当する可能性があります。一方、残高を閲覧できるだけの場合や、社内の承認権限しかない場合は、同じ扱いとは限りません。
肩書や「承認者」という名称だけで判断せず、金融機関に対して実際に何を指示できるかを確認します。
参考:IRS — FBAR: Signature or Other Authority
2. 米国内の口座も対象ですか?
FBARは、原則として米国外にある金融口座の報告制度です。銀行の国籍ではなく、口座が置かれている場所を確認します。
例えば、日本の銀行のニューヨーク支店にある口座は通常、FBAR上の海外口座ではありません。一方、米国の銀行の東京支店にある口座は、海外口座に該当する場合があります。
参考:IRS — FBAR: Foreign Country
3. 個人の口座と合わせて確認しますか?
はい。対象となる米国人・米国居住者等は、金融上の持分または署名権限などを持つ報告対象の海外口座について、合計額が暦年中のいずれかの時点で10,000米ドルを超えるかを確認します。
個人口座の残高が少なくても、会社口座への署名権限によって提出が必要となる場合があります。ただし、適用できる例外も確認します。
参考:IRS — Report of Foreign Bank and Financial Accounts
4. 会社が報告していれば、個人は不要ですか?
自動的に不要になるわけではありません。会社自身のFBARと、従業員・役員個人のFBARは、提出義務を分けて確認します。
一定の金融機関や米国上場企業等の役職員には例外があり、一部の署名権限者には提出期限の特例もあります。一般の会社員すべてに適用されるものではないため、対象年度の条件を確認します。
また、会社が適切な委任を受け、個人に代わってFBARを提出する方法もあります。これは、個人の提出義務が免除されることとは異なります。
参考:FinCEN — Reporting Corporate Accounts、IRS — FBAR Filing Requirements and Relief
ご相談前に整理しておくとよい情報
- ご本人の米国税務上の状況
- 口座が置かれている国と金融機関・支店
- 口座名義の会社と、親会社・子会社の関係
- 銀行に登録されている権限の内容
- 権限を取得・解除した日付
- 口座の年中最高残高
- 会社と個人の過年度のFBAR提出状況
当事務所では、権限の内容と適用可能な例外を確認し、必要な対応をご案内します。初回のお問い合わせには概要のみをお知らせください。会社の口座情報は、社内の承認を確認したうえで、別途ご案内する方法で共有をお願いいたします。
本回答は一般的な情報提供を目的としています。提出要否や特例は、個別の権限、会社の属性、対象年度によって異なります。
情報確認日:2026年10月14日

