米国への赴任・帰任年度には、どのような確認が必要ですか?

赴任・帰任年度は、年の途中で居住地や勤務先が変わるため、通常の年度とは異なる税務上の確認が必要です。主に、米国税法上の居住者区分、申告対象となる所得、州税、海外金融口座・資産の報告を確認します。

1. 米国滞在日数と税法上の居住者区分

赴任日・帰任日だけでなく、出張や旅行を含む米国への入出国履歴を確認します。滞在日数による居住者判定では、当年に加え、原則として前年・前々年の滞在日数も所定の割合で考慮します。「その年の滞在が183日未満だから非居住者」とは限りません。

ビザの種類、グリーンカードの有無なども確認します。税法上の居住者区分は、入国管理上の区分と必ずしも一致しません。

参考:IRS — Resident and Nonresident Aliens

2. 居住者期間と申告方法

年度の一部が居住者、残りが非居住者となる「二重身分年度(Dual-Status Tax Year)」に該当する場合があります。一定の要件を満たす場合の選択や、配偶者の状況、租税条約の適用も含めて申告方法を検討します。

帰国した日が、そのまま米国税法上の居住者期間の終了日になるとは限りません。年の途中で居住者期間を終了させるには、所定の要件や説明書の提出を確認する必要があります。

参考:IRS — Residency Starting and Ending Dates

3. 日米の所得と給与資料

日米で支払われた給与、賞与、各種手当、会社負担税金に加え、利息、配当、株式売却益、不動産所得などを整理します。

原則として、居住者期間は全世界所得、非居住者期間は米国源泉所得などについて申告対象を確認します。給与や賞与は、支払われた国だけでなく、勤務した場所や対象期間なども重要です。帰任後に支給される賞与なども、米国での申告が必要となる場合があります。

参考:IRS — Publication 519

4. 州・地方の申告

連邦税とは別に、居住・勤務した州や市の申告義務を確認します。年の途中で州を移動した場合などには、年度途中の居住者や非居住者としての申告が必要となる場合があります。

州の判定は連邦の判定と同じとは限りません。例えばニューヨーク州では、非居住者・年度途中の居住者向けの申告書が用意されています。

参考:New York State — Nonresident and Part-Year Resident Return Instructions

5. 海外金融口座・資産の報告

日本の銀行・証券口座などについて、FBARやForm 8938の提出要否を確認します。両者は対象者、報告対象、金額基準などが異なる別の制度であり、一方を提出すれば他方が不要になるわけではありません。

参考:IRS — Comparison of Form 8938 and FBAR Requirements

ご相談前に整理しておくとよい情報

  • 赴任日・帰任日と、当年・前年・前々年の米国滞在履歴
  • ビザの種類、グリーンカードの有無
  • 日米の居住地・勤務先と、それぞれの期間
  • ご本人・配偶者の所得の概要
  • 会社の給与・税負担方針
  • 過年度の申告状況と、会社や税務当局から指定された期限

当事務所では、赴任・帰任年度の個人税務と、給与・グロスアップ計算との整合性確認を支援します。初回のお問い合わせでは概要のみをお知らせください。申告書や口座情報などの機密資料は、別途ご案内する方法で共有をお願いいたします。

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本回答は一般的な情報提供を目的としています。必要な申告や選択肢は、個別の状況によって異なります。

情報確認日:2026年10月14日